視力の定義って、いったい何なのでしょうか?
そして視力や0.01や0.3、0.5の人っていったいどの程度のものが見えているのでしょうか?
学校や眼科などで、あなたも何度も経験してきたであろう視力検査。
いったい視力1.0の定義とは何なのでしょうか?
ここでは数学が苦手な人でも簡単に理解できる視力の定義について触れていきます。
目次
必要な予備知識
視力検査でおなじみのこのCの記号は「ランドルト環」と呼ばれています。
このランドルト環の隙間とあなたの目の中心でできる角度θを視角といいます。
視力1.0の定義とは?
視角1分(60ぶんの1度)の隙間のCの向きが識別できれば、あなたの目は視力1.0以上です。
別の言い方をすると、
「tan(1/60)°×見ているものまでの距離」が識別できればあなたの視力は1.0となるのです。
例えばあなたが5メートル(5000ミリ)先のものを見ているとしたら、tan(1/60)°が0.00029088821…なので、5000㎜×0.00029=1.45㎜。
つまり1.45ミリの隙間のCの向きがわかるということになります。
tan(1/(60×視力))°×D=d
D:あなたと見ているものまでの距離
d:向きが識別できるCの隙間
tanの()の単位は度で、Dとdの単位を合わせることを忘れないでください。
この視力でわかるCの向きは?
もしあなたの視力が0.01以上だった場合
tan(1/(60×0.01))°×5000㎜=145㎜
より、5メートル先の隙間145ミリ、つまり隙間が14.5センチのCの向きがわかることになります。
ランドルト環の直径は、隙間部分の5倍なので、直径約72.5センチのCの向きがわかることになります。
これでは5メートル離れた人の顔も性別も判断することが難しそうです。
もしあなたの視力が0.3以上だった場合
tan(1/(60×0.3))°×5000㎜=4.89㎜
より、5メートル先の隙間4.89ミリのCの向きがわかることになります。
ランドルト環の直径は、隙間の5倍なので、直径約2.5センチのCの向きがわかることになります。
もしあなたの視力が0.5以上だった場合
tan(1/(60×0.5))°×5000=2.91
より、5メートル先の隙間2.91ミリのCの向きがわかることになります。
ランドルト環の直径は、隙間の5倍なので、直径約1.5センチのCの向きがわかることになります。
視力7.0の場合は?
マサイ族のように、視力が7.0あるならば、
tan(1/(60×7))°×5000=0.21
より、5メートル先の、隙間0.21ミリのCの向きがわかることになります。
つまり、5メートル離れて
視力7.0の人が、隙間2ミリ、つまり直径1センチのCを見たときに、
x×tan(1/(60×7))°=2 ⇒ x=48128…㎜
より、48m先でも直径1ミリのランドルト環の向きがわかるという結果になります。
もはや、化け物の視力ですよね。
おまけ(人工衛星ひまわりの視力)
人工衛星ひまわりの視力を見ていきましょう。
気象庁によると気象衛星ひまわりは赤道上空約35800キロ上を回っていて、画像の解像度は500mのようです。
これを視力の式に当てはめて計算すると、
tan(1/(60×x))°×35800000=500 ⇒x=20.8276…
よって、気象衛星ひまわりの視力は20.83あることがわかりました。
コメント