メガネのことやメガネ店のことを、少しでも身近に感じていただきたい。悩みを気軽にご相談いただいて、1人でも多くの方に快適な毎日を送っていただきたい。
そんな想いで始めた、アイメガネスタッフのインタビュー。
2019年最初の特別企画として、アイメガネを運営するアイジャパン株式会社 澤田泰行社長のインタビューを2回に分けてお届けしています。
https://me-mimi.net/interview_president1/
代表取締役 兼 社長執行役員 澤田泰行氏
前回は、ご自身のメガネのお話、社長になるまでの経歴のお話、そしてお父様でもある先代のエピソードなどをお届けいたしました。「社長秘書」にも登場してもらいましたね!
第2回は、社長になってからのお話や、2018年までの振り返り、そして将来の展望などを伺っていきます。
目次
危機的状況での社長就任は良いスタートだった
―2007年に常務から社長に就任され、お父様である先代の跡を継ぐ形になりました。既に体調を崩されていた先代とは、どんなやり取りがあったんですか?
私が入社した時点で父親は体調が悪かったので、いつ何があっても逃げようがない。船に例えると船長ですよね。マストに身体をくくりつけているような状態で、何かあったらやらなければいけないと思っていました。
父親の身体の具合がだいぶ悪くなって、人と会うのも難しい状態になってきたとき、「そろそろ交代しようか」と言われて、「ああ、来たか」と。そこは意外とあっさりしていましたね。
―社長になってみて、「大変だな」「常務や取締役とは違うな」と感じたことはありますか?
「社長だから」というのは気持ち的にはあまりないんです。常務だろうが、いち取締役だろうが、この会社と運命を共にしているという気持ちでいましたから。
ただ、社長になった年は、会社が危機的状況で、潰れるか潰れないか…というような状態でした。ただ、私は会計と法律をやっていましたから、「土俵際だけど徳俵がある」ということは見抜けていたんです。勉強していたことのおかげで、最低限の心の余裕は持てていました。
社長になって変わったのは、皆に代わって謝らなければならないことでしょうか。以前は上の人がやってくれる仕事だったわけですが、社長になると自分の仕事です。そういう変化はありましたが、社長になったから急に責任が重く感じた、というようなことはありません。
社長1年生でギリギリのところからスタートしたのは、とても良いスタートだったなと2、3年経ってから感じました。最初にギリギリの判断をさんざん迫られたおかげで、とんでもない判断ミスをしない限りは大丈夫だと確信が持てるようになりました。
―大変だったのではないかと思いますが、たしかに悪い状態を早いうちに経験できたのは良かったのかもしれませんね。
もし先代がもう少し元気で、後始末を全部してくれて、状況が良くなってから社長の座に就いていたら、悪いときのことを知らずに引き継いでしまって、危なかったかもしれないですね。
お客様に支持していただくための解が見えてきた
―ここ1、2年のアイメガネを振り返ってみて、強く感じていることはありますか?
メガネ事業のこの先の可能性を実感できるようになってきました。
ここ17、8年でしょうか、メガネ業界は3プライスや1プライスという均一価格業態の安いメガネにお客様が流れて、我々のような既存の専門店は半分のお客様を取られていました。そんな中で、どうしたら既存のメガネ店が生き残れるのか、どうしたら積極的にお客様の支持を頂けるのか、なかなか解が見当たりませんでした。
それが昨今、企業のプロモーションもWebが中心となり、消費者の趣味嗜好も多様化するなど、さまざま要素が絡む中で、仮説ではありますが1つの解が見えてきたところです。
―そうなのですね。お話を伺っているこちらとしても非常にわくわくします。
3年~3年半ぐらい前から構想と実現に向けた歩みを始めましたが、この1、2年で徐々に形になり始めています。そして、さらに1、2年先にはなりますが、やりたいことが実現できるゴールテープが見えてきたなと思っています。
業界全体としてまだはっきりと解が見えていない中で、お客様の圧倒的な支持を得られるであろう業態に先駆けて挑戦していけるのは、とてもやりがいがありますね。
新しいものを作りだしていくステージ。今が一番面白い
―今やろうとしている挑戦について、差し支えなければもう少し具体的にお聞かせいただけますか?
アイメガネを再定義することと、再定義したアイメガネでも評価いただけないお客様に対して新たな提案をしていくこと。この2つが今の取り組みです。
再定義というのは、これまでのアイメガネを捨てるのではなく、もう一度アイメガネの本質を磨き込んで、自分たちの核となっている価値をお客様にしっかりと伝えていくことです。
一方、今のアイメガネをいくら再定義しても、支持していただけない層は必ずいます。違ったニーズを持った層に対して、違った業態の提案をしていくというのが、専門店である我々がこれから用意する解なのだろうなと。
取引先、お客様の購買行動、IT技術の進歩など、さまざまな環境の変化が、我々の方向性とマッチしてきているのではないかと思うのです。
メガネの事業にはもう20年以上携わっていますが、今が一番面白いですよ。
利益が上がっているときは嬉しいのですが、面白いかというとまた別なんです。今は大変な時期ですが、新しいものを確実に作り出している感覚があります。
そして、今は自社の事業の存在価値を改めて知るタイミングでもあります。自分の価値がどこにあるのかを知らないのは寂しいことですからね。
今の事業モデルでは応えられないお客様には、別のタイプの事業モデルを提案していく。想像するだけでわくわくします。創り出していく過程がやっぱり一番面白いですね。
―長く仕事をしていると、たしかにいろいろなステージがありますね。
成果のタイミングって3つあるんです。種をまくとき、育てるとき、刈り取るとき。
種をまいた時点でも成果と言えるし、育てている時点でも成果です。思った通りに双葉が出て四つ葉になれば、まだ実がなる前でも成果なんです。そして最後に刈り取ったときも成果ですね。
そのプロセスを楽しむというか、しっかりと育って形ができていく過程に立ち会える喜びというのが、既に1つの成果だと思っています。
メガネの事業でお客様に支持を得るために必要な要素は、商品はもちろんですが、それ以外にもたくさんあります。それをすべて揃えるのは大変なことですが、徐々にピースが揃いつつあります。
そして、最後のピースにあたるのが「人」で、今年度あたりから、教育や人事制度などさまざまな環境整備も進めています。
商品やプロモーションなどの準備を整えて、社員がやりがいを持って働ける環境を作って、アイメガネを立派な作品に仕上げる。そして、皆で大きな実を刈り取れるといいなと思っています。
まとめ:これから得られる「実り」に期待!
澤田社長、お忙しいところお時間を頂き、本当にありがとうございました!
社長の一言一言から、未来に向けたわくわく感が伝わってきました。
メガネを買う側としても、良い商品や良いサービスを提供してくれるお店が増えるのは、とても嬉しく楽しいことです。
これからどのような実がなるのでしょうか。今後のアイメガネがとても楽しみです。
最後までお読みいただきありがとうございます。2019年も、アイメガネをどうぞよろしくお願いいたします!
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